ファイヤーピットのよくある質問(FAQ)|庭で安全に焚き火を楽しむための基礎知識
- キャン’エンタープライゼズ株式会社

- 7月3日
- 読了時間: 6分
更新日:10月30日
※本記事の内容は2025年現在、当社が独自に調査・確認した情報をもとに構成しています。地域の条例や運用状況は変更される可能性があるため、実際のご使用にあたっては必ず自治体や消防署にご確認ください。当社では使用に関する責任は負いかねますので、予めご了承ください。

近年、アウトドアリビングや庭キャンプの人気が高まる中、自宅の庭にファイヤーピット(焚き火台)を設置したいという声が増えています。しかし、「そもそも自宅の庭で焚き火ってしていいの?」「BBQはOKでも焚き火はNGなの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)を中心に、個人宅でファイヤーピットや焚き火を使用する際の法的・条例的な制限について、当社が調査した内容を、一次情報ソースを交えて詳しく解説します。
自宅の庭での焚き火やBBQは禁止?

結論から言えば、私有地で焚き火やBBQを行うこと自体は、法律で明確に禁止されているわけではありません。
環境省によれば、廃棄物処理法に基づく「野外焼却」は原則禁止ですが、以下のように例外が設けられています。
「たき火その他日常生活を営む上で通常行われる焼却であって軽微なもの」(廃棄物処理法施行令第14条)
つまり、家庭での焚き火やバーベキューは「軽微な焼却」とみなされれば違法ではありません。
ただし、煙や臭い、火の粉などによって近隣住民へ迷惑をかけた場合、行政指導や通報の対象となる可能性があります。環境省の『野外焼却(いわゆる野焼き)について』でも、次のように指摘されています:
「周囲への影響が著しい場合には、たとえ例外として認められる焼却行為であっても指導の対象となる場合があります」
(出典:環境省『野外焼却(いわゆる野焼き)について』https://www.env.go.jp/recycle/yaki_faq/)
特に住宅密集地では、たとえ小規模であっても煙や火が見えることで”火災”と誤解され、通報されることがあります。
また、マンションやアパートの場合は、ベランダでの火気使用が管理規約で禁止されているケースが多く、たとえ炭火やガスでも使用できない場合があります。
法律と地域条例の違い:首都圏の事例
● 東京都
東京都は全国的にも最も厳しい環境規制を行っており、都の「環境確保条例」によって以下のように定められています:
「何人も、廃棄物その他の物を屋外で焼却してはならない」(東京都環境確保条例 第126条)
焚き火やバーベキューも、原則としてはこの「屋外焼却」に含まれる可能性があり、例外対象として認められるのは「区市町村が必要と認める農業行為」「どんど焼きなど伝統行事」などに限られています。
参考:東京都 環境局「屋外での焼却行為について」https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/basic/guide/air/jorei/jorei_sonota
● 神奈川県
神奈川県では、廃棄物処理法の枠組みを踏まえつつ、生活上必要なバーベキュー・キャンプファイヤー等については例外として黙認されています。
「軽微な焼却行為(バーベキュー、キャンプファイヤー、落ち葉焚き等)は、常識の範囲内で行われる限り、原則禁止の対象外」(神奈川県 環境農政局「野外焼却(野焼き)の禁止」)
参考:神奈川県「野外焼却(野焼き)の禁止」https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ph7/cnt/f219/p591169.html
ただし、近隣から苦情が寄せられた場合は、現地調査の上、指導の対象となる可能性があります。
● 千葉県
千葉県でも原則として屋外焼却は禁じられていますが、「日常生活に伴う軽微な焼却行為(たき火、キャンプファイヤー、バーベキュー等)」については例外扱いとされており、煙や臭いにより生活環境に支障を与えた場合は行政指導の対象となります。
参考:千葉県「野外焼却(野焼き)について」https://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/shushugyomu/hanamigawa-inage/noyakinokinnsi.html
● 埼玉県
埼玉県でも、焚き火やBBQは「日常生活に伴う軽微な焼却行為」として、条例上禁止の対象外とされるケースが多いですが、生活環境の保全に反すると判断されれば指導の対象です。
「落ち葉焚きやキャンプファイヤー、バーベキュー等は、通常生活で行われる軽微な焼却として例外とされます」
参考:埼玉県「野外焼却の禁止について」https://www.pref.saitama.lg.jp/a0506/kurashi/gomi/sangyo/noyakikinshi.html
焚き火とBBQの違い

法律上は、焚き火もBBQも同様に「軽微な焼却」に含まれますが、実際の印象は異なります。
BBQは調理行為とみなされ、日中の短時間で終わることが多く、近隣から理解を得られやすい焚き火は炎が大きく、夜間の使用や煙・火の粉の発生も多いため、心理的な通報リスクが高い
さらに、焚き火の場合、もし「落ち葉や廃材」を燃やしていれば廃棄物処理法に違反する可能性があります。燃やすのは市販の薪や炭のみにし、ゴミや剪定枝などは決して燃やさないよう注意が必要です。
ガス・電気グリルはOK?

ガスグリルや電気調理器は「焼却」ではないため、廃棄物処理法の対象にはなりません。そのため煙が出にくい、近隣への配慮がしやすいという点で有利です。
ただし、火気にあたるためマンションのベランダなどでは規約違反になる場合があります。また、通電時の事故や延長コードによるトラッキング火災にも注意が必要です。
消防法・軽犯罪法との関係
火気使用が原因で火災が発生したり、その危険がある場合には、消防法や軽犯罪法にも関わります。
「相当の注意をしないで、火をたいたり、またはたばこを投げ捨てた者」は拘留または科料に処される(軽犯罪法第1条第9号)
また、消防法では以下のように定められています:
「消防署長等は火災の予防上必要があると認めるときは、火の使用の制限その他必要な措置を講ずることができる」(消防法 第16条の3)
つまり、近隣から通報された場合には、消防署が現地で指導・中止命令を出す可能性があります。
参考:総務省消防庁「火災予防条例・火気使用に関するQ&A」https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/knowledge/faq/
安全に楽しむための対策
よく乾いた薪や炭など、煙の少ない燃料を使う🪵
風の強い日、乾燥注意報が出ている日を避ける🌪️
消火器や水バケツを常備する🪣
夜間の使用は避け、20時頃までを目安に終了⏰
周囲の住宅と距離を取り、建物や木に燃え移らないようにする🏘️
可能であれば事前に近隣へ一言伝えておく🗣️
まとめ

自宅の庭での焚き火やファイヤーピットの使用は、必ずしも法律違反ではありませんが、条例や近隣との関係性によって、トラブルになる可能性があります。
特に東京都内は規制が厳しく、形式上はNGとされるケースも多く見られます。一方、神奈川・千葉・埼玉では「常識の範囲」であれば黙認される傾向もあり、使用する地域の条例と環境を理解することが大切です。
当社としても、火を安全に・快適に楽しむ屋外空間づくりを応援しています。この記事がファイヤーピットを検討される皆様の参考になれば幸いです。
※本記事の内容は2025年時点の調査に基づいた一般的な情報であり、法的保証を行うものではありません。最新の情報は、必ず各自治体・管轄消防署にご確認ください。















