コッツウォルズストーンとは?その特徴・歴史・価格
- キャン’エンタープライゼズ株式会社

- 8月22日
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コッツウォルズストーンとは

コッツウォルズストーン(Cotswold Stone)は、イングランド中西部・コッツウォルズ地方で産出される石灰岩の一種です。ジュラ紀の温暖な海に堆積した砂粒状の石灰質から形成され、蜂蜜色(ハニーイエロー)の柔らかな色合いを特徴とします。
採掘直後は白っぽい石ですが、風化によって酸化鉄が表面ににじみ出し、経年とともに黄金色を帯びた独特の風合いへと変化します。この色合いこそが、世界中の人々を惹きつける「黄金の村落」の景観を形づくってきました。
コッツウォルズストーンの歴史
コッツウォルズストーンは、1000年以上にわたり建築に用いられてきた素材です。中世には羊毛交易で繁栄したコッツウォルズ地方で大量に採掘され、住宅や教会、修道院などに広く使用されました。
特に特徴的なのは「ドライストーンウォーリング (英国式石積み)」と呼ばれる技術で、モルタルを使わずに積み上げられた石塀です。多孔質で加工がしやすい特性から、屋根材としても使われ、厚い石板を重ねた石屋根はコッツウォルズの街並みの象徴となっています。

産業革命以降は、鉄や煉瓦、コンクリートといった新しい建材に置き換えられることが増えましたが、それでも歴史的建造物の修復や高級住宅には今なおコッツウォルズストーンが指定されることがあります。風合いの美しさと地域性ゆえに、現代でも根強い人気を誇っています。
コッツウォルズストーンの価格感
本物のコッツウォルズストーンは非常に高価です。イギリス現地の石材店では1トンあたり20万円前後で取引されることが多く、1トンで施工できる壁面はわずか4㎡程度。単純計算で1㎡あたり4万円近い材料費になります。
さらに日本で使用する場合は輸入コストや関税が加わるため、国内販売価格では1㎡あたり8〜9万円台が相場とされています。これは外装材としては極めて高額であり、住宅全体に用いるには相当な予算が必要です。
施工面での課題:重量
コッツウォルズストーンは美しい反面、重量面での課題があります。天然石灰岩は密度が高いため、1㎡あたり約400kgにもなる場合があり、外壁に使用するには建物の躯体補強が不可欠です。日本においては、耐震的な観点から一般的には採用されることが稀です。
また、石材のカットや搬入も重労働となり、施工費用は材料費以上に膨らむことも少なくありません。結果として「高額かつ施工が難しい素材」というのが、天然コッツウォルズストーンの実態です。
擬石タイルによるコッツウォルズストーン再現

こうした背景から、天然石の雰囲気を忠実に再現した人工石材(擬石)が注目されています。
セメントを主原料とした二次製品でありながら、本物の石から型取りした表情を持ち、自然な色幅や錆色まで表現することで、見た目では天然石と区別がつかないほどの仕上がりを実現しています。
擬石を使うメリット
忠実な再現性
蜂蜜色の温かみや自然な色幅、錆色の斑点まで表現され、街並みに溶け込む自然さを持ちます。
軽量設計
天然石の約1/2の重量に抑えられているため、建物への負担が小さく、補強工事を省ける場合もあります。施工現場での取り扱いも容易です。
コスト削減
天然石に比べて材料費は大幅に安価で、施工効率が高いため工事費も抑えられます。国内供給が安定しており、輸入リスクもありません。
施工性の高さ
規格化されたサイズのタイル形状であるため加工が容易で、仕上がりの品質も均一に保たれます。
天然石と擬石の価格比較(参考値)
天然コッツウォルズストーン:1㎡あたり約8〜9万円(輸入・施工条件によって変動)
擬石タイル(コッツウォルズ風):1㎡あたり1万6千円前後
価格差は約5倍以上にもなり、さらに施工費や工期まで含めると差はさらに拡大します。
つまり、見た目はほぼ同等でありながら、コストと施工性の面で圧倒的に優位なのが擬石タイルなのです。
当社が展開するCAN’STONE「COTSWOLDS – コッツウォルズ (COT)」は、こうした課題を解決するために開発された人工石材です。

本物に忠実な再現性:蜂蜜色の表情や錆色の風合いを細部まで表現
天然石の約1/2の重量:外壁施工でも補強を抑制し、施工効率を改善
コストパフォーマンス:天然石の約1/5の価格で導入可能
「本物のコッツウォルズストーンの美しさを空間に取り入れたい」
しかし「価格や重量のハードルで難しい」
そんな方にとって、当社の「コッツウォルズストーン」は賢くスマートな選択肢となります。






